概要
Outlook で受信はできるが、送信時に 0x80042109 や 0x8004210B のエラーが表示されてしまい、送信のみ行えない状況発生することがあります。
原因はいくつか可能性が考えられますが、最も可能性の高いものとしては、インターネットプロバイダによる迷惑メールの対策である OP25B (Outbound Port Blocking 25) が挙げられます。
この OP25B は、プロバイダ各社が自社回線からの迷惑メールの送信を減らすため、自社回線から他社のメールアドレスにてメールを送信しようとした際に、通常使用している送信サーバーのポート番号 25番をブロックする施策です。
具体的にはこの 25番ポートをブロックして代替ポートである 587番ポート等を経由させ、同時に送信時認証を行わせることを必須にすることにより、身元確認が行いにくいメールの送信をブロックするというものです。
簡単に説明すると、以下のパターンの場合にこの制限に当てはまることになります。
<例>
・使用回線(光/ADSL等):OCN
・メールアドレス:~@blue.ocn.ne.jp
→OP25B の制限に該当しない
・使用回線(光/ADSL等):OCN
・メールアドレス:~@yahoo.co.jp
→OP25B の制限に該当
具体的な発生例としては、以下のようなケースがあります。
・インターネットプロバイダを変更したが、以前のプロバイダのアドレスを以前のメール設定のまま使用していて、急に送信できなくなった
・自宅で会社のアドレスから送信しようとしたらできなかった。会社では問題なく送信できる。
・外出先のホテルの無線 LAN で普段使用しているメールアドレスから送信しようとしたらできなかった。
この対策に該当する場合は、メール送受信の設定(アカウント設定)の一部を変更する必要があります。
なお、送受信ともに行えず、0x80042108 / 0x80042109(0x8004210A / 0x8004210B)のエラーが発生する場合は、以下をご参照ください。
Outlook で 0x80042108 / 0x80042109(0x8004210A / 0x8004210B)のエラーが表示されて送受信できない(セキュリティソフト)
http://outlooknavi.net/article/193698339.html
Outlook で 0x80042108 / 0x80042109(0x8004210A / 0x8004210B)のエラーが表示されて送受信できない(IPv6)
http://outlooknavi.net/article/193987966.html
対象製品
Outlook 2003~2010
対処方法
OP25B の施策はかなり以前から行われ始めていますので、基本的にはメール提供元のホームページ上にある推奨設定に変更することで回避が可能です。
一般的には、以下のように設定変更することで回避ができる可能性があります。
・送信サーバーは認証が必要:チェックをオンにする
・送信サーバーのポート番号:25 → 587 に変更する
ただ、上記はあくまでも一般的なものであり、メールサーバの仕様によっては以下のように変更しなければならない場合もあります。
・送信サーバー名も変更
・送信サーバーは認証が必要 かつ 次のアカウントとパスワードでログオンする:チェックをオンにする
上記のアカウント名をメインの設定とは異なるものを入力する必要がある場合があります(Fusion GOL/TikiTiki等)
・送信サーバーのポート番号:25 → 587(または 465) に変更する
使用する暗号化接続の種類:なし → TLS/SSL/自動 等に変更する(So-net/au one net/Gmail/Hotmail等)
詳細は各社のホームページやサポート窓口にご確認ください。
以下に、一般的な Outlook の送受信設定(アカウント設定)変更手順を紹介します。
送受信設定(アカウント設定)変更手順
1. Outlook を起動します。
2. アカウント設定の画面を開きます。
<Outlook 2010>
[ファイル] – [アカウント設定] – [アカウント設定] の順にクリックします。
<Outlook 2007>
[ツール] – [アカウント設定] の順にクリックします。
<Outlook 2003>
[ツール] – [アカウント] – [既存の電子メールアカウントの表示と変更] にチェックし、[次へ]
3. 変更したいアカウント設定名を選択して [変更] をクリックします。
4. 設定画面が表示されますので、必要な場合は [送信メールサーバー] 名を入力しなおします。
5. [詳細設定] をクリックします。
6. [送信サーバー] タブをクリックします。
7. [送信サーバー(SMTP)は認証が必要] のチェックをオンにします。
また、必要に応じてその下の [受信メールサーバーと同じ設定を使用する] 等にチェックをつけます。[次のアカウントとパスワードでログオンする] にチェックをつける場合は、アカウント名とパスワードを入力します。
8. [詳細設定] タブをクリックします。
9. [使用する暗号化接続の種類] を変更する必要があるときは、「TLS」や「SSL」に変更します。
また、[送信サーバーのポート番号] を 25 から 587 等に変更します。
10. [次へ] をクリックし、[完了] で画面を閉じます。