概要
2013年 9月~10月の Windows Update 後、Outlook 2010 を起動すると以下のような現象が発生するケースがあります。
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・Outlook 2010 起動時に「実行できるようにはなっていません。」のメッセージがポップアップする
・[ファイル] タブをクリックすると、バックステージビューに「アップグレードの実行中」の表示があり、送受信が行えない
・Outlook 2010 起動時に「インターネット FAX サービスを使用するには、Outlook 2010 がインストールされている必要があります」のエラーが表示され、起動できない
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上記現象は、Outlook 2010 と Outlook 2013 が両方インストールされている環境でのみ発生します。また、Outlook 2013 自体は問題なく利用可能です。
今回は本現象の対処方法について記載します。
対象製品
Outlook 2010(Outlook 2013 との共存環境下)
原因
今回の現象の発生原因は、2013年 9月~10月にかけて配信された Windows Update の影響と思われますが、どの更新プログラムが原因かなどはまだ特定されていないようです。
Office 2013 はこれまでの Office とは異なる「クイック実行」という仮想化のテクノロジーを用いた環境によりインストールされており、旧バージョンの Office と共存することが可能と謳ってきましたが、やはり複数バージョンの競合による問題が根本にあるようです。(Microsoft は、これまで同様「共存は可能だが推奨しない」というスタンスに切り戻す様子です)
Outlook は Excel や Word と異なり、これまでのバージョンでは物理的に共存ができない製品でした。また、同じデータファイルを共用したりしますので、特に競合しやすい製品なのでしょう。
対処方法
最も簡単な対処方法 その 1:『Outlook 2010 を利用しない』
上で述べたように、本現象は Outlook 2010 のみで発生し、Outlook 2013 は問題なく利用できることから、Outlook 2013 のみを利用する人には何の問題もありません。
そのため、Outlook 2010 は起動しないようにし、Outlook 2013 のみを利用sるようにします。
対処方法 その 2:『Office 2010 をアンインストールする』
本現象に類似の現象は 9月から発生しており、Windows Update が行われると再発する場合があることが確認されています。
また、複数バージョンの競合が原因であることから、利用しないのであれば、Office 2010 をアンインストールすることにより、問題は発生しなくなります。
Office 2010 のアンインストール方法は、以下のページに記載されていますので、参照してください。
■ Office 2010 を削除する方法
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2407454/ja
ただ、Outlook は 2013 でもいいが、Excel や Word は 2010 を利用したいという人は、Offfice 2010 自体をアンインストールすると利用できなくなってしまいます。
そのような場合は、次の選択肢があります。
対処方法 その 3:『Outlook 2010 のみアンインストールする』
Outlook は 2013 を利用し、他のプログラムは 2010 のバージョンも利用したい場合、Outlook 2010 のみアンインストールすることが可能です。
Office 2010 以前のバージョンでは、各アプリケーションやコンポーネントのみを個別にインストールしたり、アンインストールすることが可能ですので、Outlook のみをアンインストールすることにより、問題が解消します。
(Office 2013 は、個別のインストールやアンインストールが行えなくなりました)
■ Office 2010 から一部のアプリケーションのみを削除する方法(カスタムインストール)
http://outlooknavi.net/install/722
Outlook 2010、Outlook 2013 のいずれのバージョンも使い分けたい、という場合は、(根本的な解決にはならないようですが)以下を実施します。
対処方法 その 4:『Outlook 2010 の Service Pack 2を適用する』
Office 2010 の最新パック(2013年 7月 21日リリース)である、Service Pack 2(SP2)を適用することにより改善する可能性があります。
SP2 は Microsoft ダウンロード センターからダウンロードし、インストールが可能ですが、上記の環境ではなぜかインストールがうまくいかない場合があるようですので、Windows Update からのインストールをお勧めします。
ただ、注意点として、Windows Update からインストールを行おうとしても、更新プログラムの中に SP2 が選択肢にない場合があるようです。
その場合は、一旦必要な更新プログラムをインストールした後に、再度 Windows Update を確認するとインストールが行えるようになりますので、試してみてください。(SP1 を事前にインストールする必要はありません)
もし、SP2 適用後にも現象が改善しない場合は、さらに Office 2010 の修復インストールを行うといいでしょう。
■ Office 2010 を修復する方法
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2179287/ja
なお、上記に記載したとおり、この対処方法では、再度 Windows Update 等が行われた場合、再発する可能性がありますので、できるだけいずれかのバージョンを利用することをお勧めします。